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上海|技術と素材が“使われる現場”で起きたこと
現場で「使われた」とき、素材が主役になる瞬間。
中国・上海で開催された、Wa!sozai初の海外実践イベント。
世界大会優勝シェフと日本の素材が、現地市場でどう受け取られたのか。
イベント概要
中国・上海にて、Wa!sozaiは現地パートナーであり、上海に拠点を置く小麦粉メーカーQueen社と共に、2026年1月20日、21日の2日間、ベーカリー向けの実践型講習イベントを開催。
目的は、素材を「説明する」のではなく、「使ってもらう」ことで、イベントにはQueen社の既存顧客を中心に50社が参加した。
今回和の素材を使用したレシピ開発と技術指導を手がけたのは、ベーカリー世界大会優勝の称号をもつシェフ・大澤秀一。
重要視されたのは、
・派手さではなく、毎日食べられること
・重さではなく、身体へのやさしさ
・技術ではなく、現場で再現できること
素材使用ポイント
■太白胡麻油(竹本油脂)
太白胡麻油は、「香りを足す油」ではなく、パンの完成度を底上げするための油脂として使われた。

焼成後も重さを残さず、生地の水分保持と口溶けを助ける。
バターや他の植物油では生まれにくい 「軽さ」と「食べ続けられる感覚」を成立させるための選択だった。
ナッツやドライ果実など具材の風味を邪魔せず、 主役はあくまでパンそのもの。

毎日食べられること、年齢や国を越えて受け入れられること。
その前提を崩さないために、 太白胡麻油は“表に出ない重要な役割”を担っている。

太白胡麻油は、特別な素材として構えることなく、中国のベーカリー現場でも無理なく使い続けられる“設計型素材”として
受け取られた。
■再仕込み醤油(垣崎醤油店)
再仕込み醤油は、単なる塩の代替ではなく、味の奥行きを設計するための調味素材として使われた。

一般的な塩味付けでは得られない、色・香り・旨味の重なりが、焼成後のパンに自然な深みと余韻を与える。
味を主張しすぎることなく、それでいて輪郭を曖昧にしない。
再仕込みという製法が生む、穏やかで複雑な旨味は、パンの中で“調味”ではなく“構成要素”として機能した。

一口目よりも、二口目。
食べ進めるほどに美味しさが立ち上がる設計において、再仕込み醤油は欠かせない役割を担っている。

再仕込み醤油は、特別な調味料として扱うことなく、中国のベーカリー現場でもパンの味を組み立てるための素材として
受け取られた。

イベントでは垣崎醤油店特製の醤油ラーメンもふるまわれた。
■発酵素材(塩糀・甘酒)
この講習で示されたのは、味を足して完成させるパンではなく、発酵そのものを主役に据えたパン設計だった。

甘酒は、砂糖の代替ではない。
パンの酵母にとっての“栄養”として使われ、発酵の過程そのものを支える役割を担っている。
その結果、生地の中で糖が自然に生まれ、焼成後も角の立たない、奥行きのある甘みが残る。
塩糀も同様に、味を決めるためではなく、発酵がスムーズに進む環境を整える存在として機能する。

このパンは、調味で完成させるのではなく、発酵によって味が育ちきるところまで待つパン。

だからこそ、冷凍後・再焼成後でも味の破綻がなく、「毎日食べられる美味しさ」が成立している。
反響と広がり
本イベントでは、世界大会優勝シェフ・大澤秀一氏の技術と、日本の素材が持つ設計力が、中国のベーカリー現場において高く評価された。
単なるデモンストレーションにとどまらず、「実際に使える」「自店の製品に落とし込める」という具体的な反応が多く寄せられた点が大きな特徴である。
参加したベーカリー関係者からは、完成したパンの品質だけでなく、 発酵設計や素材の使い方そのものに対する関心が高く、
イベント後もレシピの考え方や商材の使用について、継続的な質問・情報交換が行われている。
実際に、イベントをきっかけとして、使用された素材を自店の商品に採用する動きや、試作・検討を進めている参加者も
確認されており、技術と素材が“現場で機能した”ことを裏付ける反応といえる。

本取り組みは、シェフの技術力の評価にとどまらず、素材そのものが信頼され、「使い続ける前提」で受け取られた点において、今後の継続的な取り組みや、次の展開へとつながる確かな手応えを残した。
終わりに
Wa!sozaiは、素材を売るための場ではなく、素材が現場で活き続ける関係性をつくることを目指しています。
技術と出会い、実際に使われ、評価され、次につながっていく。

技術・素材・市場をつなぐ取り組みを、これからも世界の現場で。

・海外市場での講習・イベントを検討している
・素材の特性を活かした商品開発に取り組みたい
・現地の技術や市場に合わせた提案を行いたい

そうした課題や関心をお持ちの方は、
ぜひ一度、Wa!sozaiにご相談ください。